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庭潤日記

植木屋の日々の出来事

ふと 見あげる





山の辺に
さくらの舞か 蝶なのか




























  1. 2018/04/03(火) 21:45:39|
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竹釘

まだまだ暑いって言うのに、朝から 火をたいていた

ラジオ体操帰りの近所のおばあさんが通りかかり 挨拶をした

「あんだか 面白いことしてんだってねえ」

「稲でも育ててんのかとおもったら 違うつうじゃねえか」

壁土をこねた物から稲の苗が伸びてきている物を見てそう言っていた

「あれは 壁土なんですよお」

「細々と 植木屋やってんですよ」

「火ぃ焚くんだって 近頃じゃあできねえやね、懐かしいね」

「これはね これからこの火で竹釘を煎って仕上げる所なんですよ」

「いやあ 懐かしいねえ 昔よく父親がおもちゃをこしらえてくれてねえ、鉄の釘じゃああぶないし 金もかかるしで、
木釘で作ってたよお よおくそんな事知ってるじゃんか、どこでおせぇてもらったんだよ」

すごくうれしそうに懐かしがってくれました


竹釘

竹を割って ひごを造り そのひごを3㎝ほどに切って先を尖らし それに熱を通して油抜きして強くする

バカみたいに手間が食う、はっきり言ってやらない方がましなことだ。

何の金にもなりゃしないどころか 手間ばかりかかる。


でも やらないと次が見えないんだね。

昔の人がやって来たことやらないと 次が見えないんだよ。 おれの仕事はね。

そうは思っていても やっぱりこの時代こんな事やっていると不意にばかばかしくなる時がふっと来る

金物屋で鉄やステンの釘買えばすんじゃうからね

 
それでも でも やっぱりやってよかった

今朝そう思ったよ

昭和9年生まれの婆さんが

「父親の顔が出てきたよ ほら ここに」

うれしそうに言っていたよ 

小さい子どもの頃に帰ったんだね あの時ね


それだけで十分やった甲斐があったってもんだ

そういうことかもな


















  1. 2016/09/02(金) 20:59:05|
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村のにわ

若葉の香る野山

ちいさな神社

村の守り神

しとしとと春雨が降る中、年寄りに付いて向こうの神社に歩いて行く

向こうから ひとり向かえに来てくれた


「こっちはだあれもいねえからよぅ そっち行ってみんべぇと思ってよぉ」
「そっちはしねえだと 雨ふってんからよお こっちだけだとよぉ」
「そおかよぉ じゃあそっち行くべぇ」

しっとりとした山がのどかな間をつくってくれる



向こうの神社に着くと 大勢がせっせと支度をしている

あすは祭りだ

みな役に分かれ支度をする

むか〜しっから伝わった通り支度をする


でこぼこの畳、傾いた柱、トタン屋根、ガラス戸

そう言えば 小さい頃はこんな家がたくさんあったけな。

うちもそうっだったけか

この場は昭和のまんまだ

こと細かく そしておおらかな、なんでもない なつかしい間がここにある

あすは祭りだ

村だけの祭り


あすはきっと晴れるだろう


















  1. 2016/04/28(木) 17:58:14|
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季節の届き物


















            カキ喰えば

             のどが鳴るなり

             しまなみ路

























  1. 2016/03/01(火) 18:42:41|
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郷のにわ
















           行きかえし 

            淡くほのめき

            梢かな





























  1. 2016/02/27(土) 18:08:05|
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