お好み焼きのおばちゃん

今日、大変な知らせが届いた。
お好み焼きのおばちゃんがいなくなってるという知らせだ

１８で京都に修業にいき、一人で寂しい日は近所にあるお好み屋によく行った

鉄板の前に座席が四つか五つほど、四人掛けの小さな鉄板が二つ小さな店
御薗橋のすぐ近く
うちから歩いてタバコ１本のところ
口は悪いけど優しいおばちゃん皮肉を言うけど真っ直ぐだった

常連さんもみんな真っ直ぐだった

ほんとにかわいがってもらった



今日現場は自宅のすぐそば歩いて昼飯食いに帰ってはがきを見た
もう年賀状出せない

苦しい

動けない

昼休憩は終わっている


とても木に登れない

帰りたい

京都に行きたい




すごいことが起きた


携帯電話に電話が来た

高校の時の友達だ

しかも２人


１人は居酒屋をやっている
もう１人はテレビカメラマン

居酒屋は杉の葉っぱをくれと言い
カメラは村山のうどん屋を教えろと言った（うちの市はうどんがとても旨い）

１３時１５分ほとんど同時に２人が車で乗り込んできた

全くの偶然

カメラの方はスタッフを連れているかわいい女の子もいた
いっぺんに現場はにぎやかになった

「わりーなあーなぐさめに来てくれたのかよおー」
と冗談


カメラにはうどん屋の地図を書いて
居酒屋には庭木の、杉の葉と桧の葉、赤や黄のモミジの葉、それから真弓の実の付いた枝をあげた


「お前ら早く帰れよ、」
笑いながら気楽にいえる仲間


ほんの１０分１５分のこと


１年に１度、会うか会わないかの仲間



助けられた。

友達ってすごい。



ありがとう



おばちゃん　さようなら