枝マルキ。 束。
植木屋が庭木の手入れで出た 枝ゴミを縄で束ねる事だ。
東京では 「マルキ」と言い
関西では 「ソク」と言う
「おい 枝を丸っとけ」とか 「あらゴミ 束にせぇ」とか
庭木の枝を切り落とした長さは、もちろん様々だ。
長いのも短いのも。
それをある一定の長さに束ねる
50センチくらいであったり、1メートルくらいであったり
それはその植木屋によってまた色々。
ただ 決まっている事は、キッチリと縄が締まっている事。
植木屋を始めて、まず 掃除ばかりした。
「掃除がでけたら 一人前やぁ」
よく言われた
ひたすら束を作った
縄が緩んでいたら、トラックに束を積んでもらえない。やり直しだ。
やり直しなんて、簡単に言ったけど、その緩んだ束をぶん投げられる。
そうやってアラゴミ掃除を体にしみこませてきた。
しかし そんなことは今は もう昔の事になっているみたい。
今日の現場は 手伝い仕事
よその植木屋の手伝いです。
戦前生まれの植木屋さんと庭木の枝おろし
トラックには昨日までのゴミが、きれいに縄でまるいで積み込まれていた。
(ああ 植木屋だ 最近見ないなあ)
コンビニの陳列されたおにぎりの様にきれいに積み重なっている
近頃は 枝はそのまま荷台に積み込まれたり パッカー車によって押し込まれたり
まあ 縄でまるいでいく作業は無くなった。
ふと 今日何でだろうと思った。
きっと ただ単に時代にそぐわなくなっただけなんだろう
何かわからないけれど つまらない感じがする
何年か前に 山師の仕事を見た。
やはり戦前生まれの方で、杉皮がほしくて手伝いに行ったときの事
山で杉の木を切り倒し、皮は綺麗に剥ぎ、杉皮の材として束ね、
白丸太は「ほうし」と呼ばれたつかで支えられ、山の斜面のあちらこちらに綺麗に杉の幹が積み重ねられていた。
その山の景色は あまりにも行儀良く 日本の景色だなあと、つくづく思った。
しかし それも時代にそぐわなくなったらしい
割が合わないからもう止めだ と言っていた。
植木屋の話に戻る
はっきり言って おれ自身もここ1年、枝ゴミを丸っていない。
今日 久しぶりにマルキを作った。
なんか少し 下手くそになっていた。
これはまずいと必死にやった。
ふと思い出したが、あのうるさかった親方達や先輩達も最近丸っていない様な気がする。
あれ おかしいなあ
そのうち日本人は、箸も使えなくなっちゃうかなあ
- 2014/03/10(月) 20:54:53|
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