うっそうと茂る山の中、
カラ沢と呼ばれている沢がある、利根川の支流である
まだ川石となったばかりの、角のある石がごろごろとして苔むしている。
沢の岩の上には水神様が奉られている
山奥へと続く橋のたもとには、すべての邪心をゆるさぬ ふんぬんで不動明王が山を背負い込んでいる
その道を山奧へと登って行くと、禅寺の空恵寺のかぶき門が現れ
急な石段を さらに登ると山門が見えてくる
本堂はさらに まだ先だ
水神様が奉られた所をしばらく道なりに下ると在所が見えてくる
カラ沢は山のずっと上から続いている
なんとも良い沢だ
古い山なのであろう
山の上の方に子持神社がある
あたりが開ける
右手に榛名山 左手に赤城山
そして目を下にやると、まさに坂東太郎が 今 伸び立つところである
ここより坂東平野が始まるのか
この吹きっさらしていく野を、はるか昔 荒武者達が駆け巡っていたのか
思いはさらに進む
地を覆う土は、武蔵野育ちのものから見れば土とは言えない
火山砂利だ
その昔、この地で生き抜いていくことは、どれほどのことであったのか
現代人では計り知れない
ゆえか
この地の方言はきつい
関東弁は 本来きつい言葉だと思うが、さらに言い切る 男前の言葉だ
関東弁の元を感じる
しかし 心は温かい
食べること 生きていくことの大切さ 力強さを、しみじみと教えていただく
この厳しい土地で薄情になりきれない紋次郎も生まれる訳だ
この度は、
ここで この地で、竹穂垣をつくらせていただく事となる
この生きる力に向かって行かなければならない
この地の物、手に届く物だけでつくる
また 新しい つくる重みをひしひしと感じる
ありがたい重みだ、必死に受け止めねばもったいない
2人の仲間と一差し一差し探していく
まがい物にならぬよう 探していく
蝉にさえ尋ねたくなる
終いに近づき 今さらながら気がつき始めることが出て来た
昔 言われた
「休むな やり続けろ 休むな」
本当だ
やり続けることによって、やっと見え始めてくる
分かっていたと思っていたことが、分かっていなかったことに
型を追っていて中身が見えていなかった
もちろん まだまだ、まだ何も分かっちゃいないが
何でもない、素の竹穂垣をつくる折をいただき、今までのことがつながり始めたんだ
要は どの型も、すべて同じ物だったのかも知れない
でどころは、きっと竹藪の柴垣
そうであろう
スッとした
そして また気を入れる よし!
気がつけば ツクツクボウシが鳴いていた
この御縁のすべてにありがたく思う限りである
ありがとうございます
- 2015/08/12(水) 22:32:55|
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